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新聞記事文庫 土地(9-028)
神戸新聞 1935.5.18(昭和10)

阪神間の農耕地大住宅街へ発展

住吉川と芦屋川の中間地帯

整地工事着々進む

省線甲子園口駅を中心とし日本一の田園都市を形成しつつあることは既報の通りであるが更に西は住吉川、東は芦屋川に挟まれた阪神間即ち主として本山村と本庄村の一部に続々と土地区劃整理をなし都市計画道路を基本に住宅地を形成しつつある、住吉川以西は人家稠密にて既に飽和状態に近く将来の発展は住吉川以西神戸に至る区域であるが省線では本山村字田中に新駅を建設中にて各土地会社は競うて区劃整理に当っている、今その主なものをあげると
 本山村西部区劃整理組合では甲南高女附近一帯から阪急以北と省線と国道に挟まれた地域、その面積二十一万八千九百坪を七十万円の工事費を以って着工し公園、上水道の計画をすすめ既に本山村第二小学校が出来ているが新駅前を商店街に他を住宅街に当てている 岡本梅林附近は春風荘区劃整理組合が着工する予定にて県より図面を下附されている
 新駅より東は本山村田辺土地区劃整理組合を設立することとなり地主総会も終っているが同組合は省線から国道に至る五万九千八百坪の区域
 本山村中野土地整理組合は省線より南方国道を越え阪神電車附近に至る八万坪で一部は認可済み、一部は目下準備中である
 本山村森土地区劃整理組合は省線より南方国道を越えた五万二千三百坪に工事費十万円を計上しこれより東へ
 灘深江土地区劃整理組合は国道以南阪神電軍を越え本庄村深江に至る十四万七千坪にて既に認可を得、着々工事中で工費は十二万円を計上している
このほか本山村の山間地にも高級住宅地を計画中のもの多く何れも学校、上水道、公園(三%は規則により公園を設けねばならぬ)等の設備を計画されここ一二年中にはこれ等農耕地は住宅街として面目を一新する訳で神戸市内で勤務するサラリーマンは同方面に吸収されることであろう

データ作成:2010.3 神戸大学附属図書館

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